札幌少年鑑別所

中田 麻衣 さん Nakata Mai
福祉心理学科 2019年度卒業 / 北海高等学校出身
(2023年4月 心理学科へ名称変更)

少年たちの言葉に出せない
心情を見つめられる法務技官に

 法務技官として、少年鑑別所で非行少年の心身鑑別を担当しています。面接や心理検査を通して非行の背景や問題点などを探るために行う「ロールシャッハ・テスト」や「WAIS(知能検査)」「TEG(性格検査)」などの心理検査は福祉心理学科で経験していたので、スムーズに実践することができました。忘れられないのは、職場の先輩と一緒に少年の面接に臨んだ時のことです。私には淡々と話していた少年が、「寂しかったんだね」という先輩の一言を聞いた途端に明るい表情に一変しました。話を聞くだけで精一杯の私とは違い、先輩は非行に走った少年の心情に寄り添っていたのです。今は私一人で面接をしていますが、言葉には出ない背景まで意識することを心がけています。職務の幅を広げるため、今後は少年院や刑務所でも法務技官の経験を積んでいきたいと思います。

私の4年間の学び

1年次
集団心理や群集心理の仕組みに興味があり、社会的な心理学が学べる福祉心理学科を選びました。1年次だけサークルに入り、YOSAKOIソーランに打ち込んだのもいい思い出です。
2年次
「心理学実験」など専門性の高い心理学に触れ、この学びを将来にどう活かすべきか、自分がどのような業種や職種に興味があるのか、あれこれと思いを巡らせていました。
3年次
インターンシップで訪れた札幌少年鑑別所で、非行少年から話を聞き出すという法務技官の仕事を知り、心理学の知識や経験が活かせると考えて目指すことを決めました。
4年次
就職活動は公務員一本に絞りました。第一志望の法務技官に関する情報を集めるのに苦労しましたが、就職支援課の試験対策などのアドバイスのおかげで合格できました。

MESSAGE
受験生たちへメッセージ

 他大学出身の同僚の話で、北星は実践的な学びが多かったことに気づきました。学部で大学院レベルの心理テストなどが経験できるのは北星くらいではないでしょうか。社会福祉学部の中でも、福祉心理学科は就職先の選択肢が豊富なので、まだ将来像が定まっていない人にもおすすめです。どんな職業でも、この学科で心の働き方を学んだことは大きな力になるはずです。

インタビュー内容は、2021年11〜12月に取材したものです。

PAGE TOP