初めての通訳ボランティアで
交流をつなぐ大切さを学びました
持ち前の英語力を活かして、服部さんは姉妹都市交流の
通訳ボランティアを行いました。通訳する上で大切なことなど、
経験したからこそ気づけたことについてお話を聞きました。
文学部 英文学科 2年
服部 萌子さん
札幌国際情報高等学校出身
小学生の時に延べ約3年半、父の仕事のためアメリカ合衆国カリフォルニア州に住んだ経験を持つ。大学1年からIntegrated Class(英語上級クラス)に在籍。サークルは、積極的に英会話などのアクティビティを楽しむ英語系サークルHOKUSESSに所属している。
海外の方とふれあえると思い、通訳ボランティアに応募しました
服部さんは、高校では英語教育に力を入れている国際文化科に在籍し、特に英語でのコミュニケーションに興味を持っていました。北星学園大学に進学後は学内の留学生など海外の方と交流できると期待しましたが、大学1年になったばかりの頃はなかなか留学生との出会いがありませんでした。海外の方とふれあうチャンスが訪れたのは大学1年の前期。英文学科の教授から通訳ボランティア募集のお知らせメールが配信されたのです。
「通訳ボランティアは英語をたくさん話せる機会だと思い、応募しました」
応募したのは服部さん1人のみ。ボランティア活動の期間は、夏休み中の約10日間。仕事内容は、新ひだか町の姉妹都市であるアメリカ合衆国ケンタッキー州レキシントンからやってくる中学生・高校生と地元の生徒や町民との交流の場における通訳です。交流期間中は服部さんも新ひだか町に滞在し、レキシントンの生徒と一緒にホームステイしながら通訳ボランティアとして活動しました。
通訳の仕事には、交流を妨げない配慮も必要なことに気づきました
通訳の心得など全く知らなかった服部さんですが、ホストファミリーの10代の生徒とゲストの通訳をしているうちに気づいたことがあります。
「どちらの子も私を頼ってしまい、日本人は日本語、アメリカ人は英語で私に話し、それを私が通訳するというやりとりになってしまいました。これでは本人同士が直接会話せず、特に日本人の子が英語で話す機会を逃してしまうので、もったいないと思いました」
そこで、日本人の生徒に「自分から話してみたら?」と背中を押してみると、徐々に自発的に英語で話すようになったといいます。「この経験から交流が目的の通訳では出過ぎず、でも、本人達が本当に困った時には助けに出るという配慮が大切だと実感しました」
翌年の春休みには新ひだか町の生徒達がレキシントンを訪問する事業が実施され、この時にも服部さんは通訳として同行しました。「レキシントンでの滞在もホームステイでした。仕事をしながらアメリカの生活にも触れられ、留学とはひと味違う体験ができました」
服部さんは、アジアの約30の国と地域からアスリートが集う2017年冬季アジア札幌大会でも、通訳ボランティアとして活動することが決まっています。
今は中国語も勉強中。他の外国語や手話にも興味を持っています
大学2年から、服部さんはIntegrated Class(特に英語力の高い学生に用意されたクラス)の講義の他、通訳法や翻訳法の講義も履修しています。
「通訳法を選択したのは、1年生の時の通訳ボランティアがきっかけです。この講義を受講して、通訳の現場では相手が言うことをメモに取り、それを見ながら訳すといった通訳の基本を知りました」
服部さんは英語以外の外国語として、中国語にも熱心に取り組んでいます。中国語は高校の第二外国語として学んできて、大学では英語と同レベルの力を身につけたいと考えています。韓国語やスペイン語、手話にも興味があるということで、服部さんのコミュニケーションへの好奇心は英語に始まり、多言語や視覚言語へとどんどん広がっているようです。