社会福祉学部 福祉臨床学科 4年
青柳 風香さん
旭川東高等学校出身
障がい者が自分の意思で
働くための支援をしたい
高校は進学校だったので勉強中心の毎日。医療職を志望していたが体調を崩し、現役受験を諦めて卒業。将来について悩んでいる時、ソーシャルワーカーとの出会いを機に福祉の道を志し、北星学園大学に進学した。合気道部の活動にも学科の勉強にも全力で取り組み、現在は卒業論文の執筆と国家試験の受験勉強に邁進中。趣味はドラマ鑑賞。
社会福祉学部 福祉臨床学科インフォメーション
地域や施設で生活上の問題を相談援助する「ジェネラリスト・ソー シャルワーカー」の育成を目指しています。
ここでならもう一度頑張れる。自由な空気が希望をくれた
青柳さんは作業療法士を目指して受験勉強に没頭していたものの、高校3年の夏に体調を崩して現役受験を断念。療養しながら将来について悩んでいる時、ソーシャルワーカーとの出会いを機に福祉に関心を持ちました。そして北星で社会福祉士と精神保健福祉士の資格が取れると知り、キャンパス説明会(現在はオープンキャンパス)に参加。「高校とは違う自由な空気を感じました。学生ものびのびしていて、挫折を味わった私もここでならもう一度頑張れるかもしれないと思いました」。
入学後は合気道部に入部し、学科を超えた友人に恵まれた青柳さん。コロナ禍以降はSNSで交流を深めているそうです。「『眠い』『お腹すいた』といったとりとめのない会話から授業やプライベートの悩みまで、話題は多種多様。寝坊した時に電話で起こしてもらうこともありました」。孤独に陥りがちなコロナ禍の学生生活で、気のおけない友人は心強い存在ですね。
実習で学んだ「人と人」として対等に向き合うことの大切さ
福祉臨床学科では1年次から段階的に実習を経験して実践力を培うカリキュラムが特徴です。ところが青柳さんが入学した年は胆振東部地震、2・3年次はコロナ禍のため実習が軒並み中止に。それだけに4年次の実習に懸ける思いは大きかったようです。
「精神障害がある方を対象とする作業所と病院で実習を経験し、自分の未熟さを痛感しました。双極性障害や統合失調症の症状が出ている方とどのように向き合うか、どんな社会資源を活用すれば患者さまが望む生活ができるのか、ソーシャルワーカーとしてどこまで介入し、どこから本人に委ねるべきか……現場の課題を解決するための知識やスキルがまだまだ足りません。その一方で感じたのは、人として対等な存在として患者さまや利用者さまに向き合うことの大切さ。私とは異なる人生を歩まれている方々に対する敬意を忘れてはいけないと思いました」。
挫折と希望を味わった経験を糧に、丁寧に人と関わっていきたい
卒業を目前に控えた現在は「精神障がい者の就労」をテーマに卒論を執筆中。「社会福祉や精神保健福祉を学ぶ中で、精神障がい者が仕事を通じて社会参加する機会はまだ少ないと感じています。私自身も高校卒業後に行き場を失う経験をしたので、働きたくても就労先がない方々の不安が少しわかります。働きたい人が自分の意思で仕事を選べる選択肢がもっと増えればいいなと思います」。
病気で進路を断たれ、目標を見失った高校3年の夏。「あの挫折がなければ今の自分はなかった」と青柳さんは言います。「病気だけでなく、周囲から腫れ物にさわるように扱われるのもつらかった。でもそのつらさを知っているからこそ、ソーシャルワーカーとして丁寧に人と関わっていきたいという強い思いがあります」。春からは障がい者への就労支援などを行う社会福祉法人で働く予定の青柳さん。挫折の苦しみと、そこから立ち直る希望を知る彼女なら、障がい者の心と生活に寄り添う支援がきっとできるはずです。