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BELIAKOV Grigory
BELIAKOV,Grigory
組織行動心理、エネルギーバリューチェーン
文学部 英文学科(2026年度より国際学部所属)
べリャコーフ グリゴーリ先生
世界で活躍したビジネスマンが、次に選んだ舞台は「教室」だった。
—— 国際ビジネスを教えるグリゴーリ・ベリャーコフ先生に聞く、学びと挑戦のすすめ
ロシアのサハリン島の出身です。日本からは非常に近く、北海道とは海を挟んでわずか40キロの距離にあります。大学はサハリン州立大学で、言語学と教育学を専攻していました。若い頃から海外に関心があり、アメリカ留学も経験しました。
はい。そして大学卒業後は、エクソンモービルという国際的なエネルギー企業に入社しました。そこでは約24年間、主にロジスティクスや輸送、事業企画などの分野で働いていました。アナリストとしてキャリアをスタートし、最終的には中上級管理職として複数の部門を統括する立場になりました。働きながらアメリカのヒューストン大学でMBAの学位も取得しました。
アメリカには合計7年、シンガポールに2年ほど住みました。他にもトルコ、オーストラリア、マレーシア、韓国など、さまざまな国や地域で勤務しました。日本にも出張で何度か来ていましたが、長期滞在する機会はこれまでありませんでした。
教えることにはずっと関心がありました。学生時代に家庭教師として高校生に英語を教えた経験があり、とても楽しかったのを覚えています。会社でも若手社員の教育や育成に関わる機会があり、それが非常にやりがいのある仕事だと感じていました。エクソンモービルでのキャリアに一区切りをつけようと考えたとき、「次は教育に専念したい」と自然に思えたんです。
幼少期から日本文化に対する興味がありました。育ったサハリン南部は、かつての樺太で、日本統治時代の建物や遺物が多く残っていました。子どものころ、それらを見て「誰が建てたんだろう」「どんな人が住んでいたんだろう」と不思議に思っていたんです。それが日本への関心につながっていきました。
サハリンと北海道は地理的にも風土的にも似ています。自然が豊かで、人も穏やか。アウトドアが好きな私にとっては、理想的な場所でした。もともとスキーやカヤックが趣味で、北海道はまさにパラダイスのような環境です。2023年の春、日本語の勉強を兼ねて北海道に移り、北星学園大学で非常勤講師を務めるようになり、その後正式に働くようになりました。
「国際ビジネス入門」や「文化とビジネス」など、ビジネスと英語を融合させた授業を英語で行っています。3年生からのゼミも担当しています。1年目にビジネス理論の基礎を学び、2年目に学生が自分の興味のあるテーマで研究を進めます。たとえば、「日本企業の海外展開」や「欧米企業との文化的な違い」などが人気のテーマです。私はこのゼミを“ミニMBA”のようなものだと思っています。座学だけでなく、プレゼンテーションやレポート作成も含まれます。
まじめな学生が多く、熱心に取り組んでくれます。ただ、日本の大学では、学生があまり発言しない傾向があると感じています。私はいつも「質問していいですよ」「意見を言っていいですよ」と伝えています。欧米では授業中に学生が自由に話すのが普通ですから、日本の学生にもそういった積極性を身につけてほしいと思っています。
はい。これまで以上に実践的で、起業やマネジメントに焦点を当てたカリキュラムになります。学生には、自分でビジネスを立ち上げる力を身につけてほしいと思っています。日本ではまだ起業という選択肢が一般的ではないかもしれませんが、実はトヨタ、三菱のような企業も、元をたどれば起業家の挑戦から始まっているんです。
そうです。学生たちには「起業家精神はアメリカだけのものではない」と伝えたい。世界を見て、日本の価値にも気づいてほしいのです。もっと自信を持っていいと思います。
冬は毎週のようにスキーに行っています。バックカントリーにも挑戦していますよ。夏はシーカヤックやカヌー。自然の中に身を置くことで、仕事のことも俯瞰できるようになります。一人で行くこともありますが、自然の中ではリスク管理が大切。それはビジネスの世界にも通じる感覚だと思います。
大学生活は、人生で一度きりの貴重な時間です。失敗を恐れず、さまざまなことに挑戦してください。学ぶことに正解はありません。大切なのは、自分が何に興味を持ち、何を楽しめるのかを見つけることです。評価よりも、自分自身で何を掴んだかが大事です。大学での学びは、あなた自身の手の中にあります。
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組織行動心理、エネルギーバリューチェーン
べリャコーフ グリゴーリ先生