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Haidee E.Thomson
Haidee E.THOMSON
応用言語学、英語学、通訳案内士
短期大学部 英文学科
ヘイディE.トムソン先生
応用言語学を専門としています。その中でも特に"Multi-word expressions"(複単語表現)の教え方を研究しています。例えば、"I think I will"のような英語表現。これは4単語。英語話者がよく使うこのような表現を学んでいくと、よりスムーズな英語コミュニケーションスキルが身に付きます。観光業も学んでいたので、観光ガイドのトレーニング方法についてイギリスでの事例を元にした研究もしています。
ニュージーランド出身で、高校時代から日本語を学び、ウェリントンのヴィクトリア大学時代にも、周りに留学している日本人の友人がたくさんいて、日本への感心が高まりました。ツーリズムや国際ビジネスも学んでいたので、ワーキングホリデイを利用して日本に来たのが最初です。2005年、名古屋の「愛・地球博」のニュージーランドパビリオンで働いたり、ニセコの不動産会社で働いたこともあるので、学んだことを活かすことができましたし、今の研究にもつながっています。
日本人の英語学習者と接して感じるのは、「英語を使えるようになりたい」という思いの強さです。そんな人たちの力になりたいと思いました。それぞれの学習のゴールは様々なのですが、国際語としての英語を学び、いろいろな国の人たちとコミュニケーションを取りたいと思っている人が多いことに気づきました。私の専門分野の応用言語学を通じて、そんな人たちに効果的な学習をしてもらいたいと思っています。
応用言語学とは、単に理論や言語の構造を学ぶのではなく、それをどのように学習の場で使っていくかを研究する学問です。大学でいえば、実践的な教室での学習方法などを研究します。
今研究しているのは、"Multi-word expressions"(複単語表現)というものです。一単語ではなくて、複数単語を使った表現です。例えば、"I think I will" これは4単語の表現ですね。こういう複数単語がセットになった表現をネイティブの人はよく使い、たくさんの例があります。これらをうまく使う事によって、よりスムーズに英語を話せるようになります。
例えばVocabulary Building (語彙力養成)という授業は、英語でもっともよく使われる語彙を学ぶものです。教室内ではパートナーを作って練習させるような場面を多く設けます。これは「英語による授業」で、日本語で説明することはほとんどありません。ゲームも多用します。オンラインで、コンピュータを利用する手法も多く使っているので、コロナ禍で対面の授業ができなかった2020年などには、オンラインに慣れていたことが学生にとっても大いに役に立ちました。
大学時代に専攻し、日本でも外国からの訪問者と関わる仕事をしていたのも今の研究につながっています。最近は、観光ガイドのトレーニングについて同僚と論文を発表しました。モデルとなったのはイギリスの「ブルーバッジ」というシステムです。このガイド資格を得ると、文字通りブルーのバッジをつけてプロとしてガイドの仕事ができます。日本にも「通訳案内士」というガイド資格がありますが、イギリスの資格の特徴は実地試験があることです。受験者に実際のガイドをさせて、プロのガイドが見てフィードバックします。実践的な経験を増やす事で、結果的にガイドのレベルが上がります。日本にも応用できないかと思っています。
私は短大に所属しているので、女子が圧倒的多数です。明るい学生が多いですね。モティべーションの高い学生は、2年の学習を終え、卒業していくときには私と英語でコミュニケーションができるようになっていきます。そんなときは教師としてのやりがいを感じます。「最初からやりたいことがしっかりわかっている」という学生が多い訳ではありませんが、クラス担任のシステムがあり、先生がメンターとして就職の相談にのったり、進路について話したりしています。
はい、夏はカヌーをやったり、サイクリングしたり、冬はバックカントリースキーへもよく行きます。夫もアウトドア好きなのでよく一緒に出かけます。自然と近いのはニュージーランドと似ています。暮らしていて楽しいですね。
学生たちにも「自分がいちばん楽しくやれることは何なのか」を考えること、どうすればそれを実現できるのか、それに向かってどんなことを学べばいいのかをアドバイスするようにしていますよ。
Profile
応用言語学、英語学、通訳案内士
ヘイディE.トムソン先生