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Daisuke Kawabe
KAWABE,Daisuke
クリエイティブデザイン
短期大学部 生活創造学科
川部 大輔先生
私が専門としている「ヴィジュアルコミュニケーション=視覚伝達」は、これまでプロのデザイナーのみが持つべきスキルだったものが、徐々に一般の人たちにも必要になってきており、様々なメディアに応用できる技術だと思っています。
生活学という学問を学ぶ学科です。生活とひとことで言っても、一つの学問分野で説明できることではなく、様々な要素が含まれていて多角的に見ていかないと「生活」というものは理解できません。
ですから、生活学とは多様な分野が複合的に構成されているものと考え、生活における様々な要素を本学科では履修モデルとして系統立てています。入学した学生はその中で自分がやりたいことを見つけてくれればと思っております。
デッサン、グラフィックデザイン、写真表現、あるいは美術史など、非常に多岐に渡って教えています。Webパブリッシングといった科目も担当しております。
子供の頃からずっと漫画少年で漫画を描き続け、高校生くらいまでは完全に漫画家になるつもりでしたが、その後、美術系の大学へ進学するという選択をしました。
無事に入学できてしばらくは絵画と漫画を大学でも続けていたのですが、漫画よりもデザインの授業のほうが楽しくなってしまって、デザイン研究室に所属することになりました。
デザインといっても様々なものがあります。製品プロダクトやファッションデザインもそうです。自分は、学生のうちはまだどの分野を専門とするかはっきり決まっていなかったのですが、ある印刷会社にデザイナーとして採用されたことがきっかけで、グラフィックデザインの道に進むことになりました。それが自分の専門という形に自ずと決まりした。
ご多分に漏れずと言いますか、少年ジャンプがすごい勢いだった時代なので、そこで連載されていたドラゴンボールなど、定番のものに強く影響を受けて夢中になっていました。
短大は2年間しかありません。ですので、1年次後期から始まるクリエイティブデザイン履修モデルでは、まず、アプリケーションの使い方や画面構成力の基礎、デザイン関係の知識などを同時並行で一気に学習します。
そして、2年次にそれら修得したスキルの集大成として、本格的な作品を制作する、というカリキュラムになっています。
本学に入学して欲しい人物像として、「2年間という限られた時間を最大限に有効活用し、貪欲に学ぶ人」と定めていますが、実際にそのような学生が入ってきてくれているなあと実感することが多いです。
毎年、生活創造学科のパンフレットの表紙デザインや、地域のイベントポスターデザインなどを学生が担当しております。一方で、オリジナルのデザイン作品制作もゼミ活動の一環としてやっております。
最初のうちはデザインの定義というものが学生のなかで定まっておらず、絵を描くこととどこか混同しているようなところがありますので、まず、デザインというものは何か?というところから説明を始めていくことになります。
その中でよく言うのが「絵を描くな」ということです。絵が描ける人は絵で解決しようとするのですよね。本当は写真を撮ったほうがより伝わる表現になるかもしれないし、文字だけで構成したほうが、あるいは三角四角だけで組み立てたほうが最も効果的なものになるかもしれないのに、絵が描ける人は絵を描いてしまいます。なので、絵が描ける人に「絵を描くな」と言ったらだいたい困ってしまい、その後「デザインとは何か」について考えるようになります。
グラフィックデザインの目的は、誰かが誰かに対して何らかのメッセージを伝えることです。その伝えたい誰かの代わりに、デザイナーが作品や製品をもって不特定多数のターゲットに向けて強く印象づけるべく、メッセージを伝達するということが仕事です。
ですので、伝わることが最も重要なことです。
どんなに素晴らしいものやかっこいいもの、美しいものを作っても伝わらなければ失敗なので、伝達力に特に力を入れてやっています。
実際にプロのデザイナーになるわけではない人たちがグラフィックデザインを学ぶというのは、社会に役立てるために伝達力というところが特に重要になってくるからなんですよね。
意外なところに道を見出す、そういう学生は少なくないです。
実際に経済の履修モデルを希望して入学してきた学生が、半期の勉強を経て情報システムに履修を変えますとか、住居インテリアに興味が湧きましたとか、結構変わります。
生活創造学科で1年次前期の間様々な分野に触れて、本当にやりたかったことを見つけることができたということなので、それは大事なことで、とても良いことなのです。
まだ自分が何をやりたいのか分かっていない、分からない人にこそ生活創造学科に来て欲しいと我々は願っております。
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クリエイティブデザイン
川部 大輔先生