大島 寿美子先生

Sumiko Oshima

OSHIMA,Sumiko

医療社会学、健康科学、科学社会学

文学部 心理・応用コミュニケーション学科

大島 寿美子先生

”コミュニケーションで社会を変える”をスローガンに、身近な関わりから世界の問題へ意識を向ける機会づくりをしています。
生物学の専門知識と新聞記者としての経験則を活かし、グローバルな視野で物事を捉える重要性を説いています。

ジャーナリストから大学教授への転向

もともと生物学が専門でしたが、常に実験室で過ごすよりも街に出て様々な人に会いたいという気持ちが強くなり、ジャーナリストを志しました。しかし、科学への関心は変わらず持ち続けていて、その後も同じ分野について取材してきました。
大学教授への転向を提案された際に、取材活動と研究活動には多くの共通点があると感じました。これまでの経験と知識を研究という形でさらに深めていくことに興味を覚え、大学教授への転身を決意しました。

大島寿美子先生

大学ではどのような事を教えていますか?

1年生にはコミュニケーション科学を教えていて、2年生には国際社会論とインタビュールポルタージュ技法を教えています。
「コミュニケーション」という曖昧な概念の裏には様々な科学的知見や技法が隠れています。それらを自分の専門分野をもとにわかりやすく教えています。

大島寿美子先生

どのようなアプローチで教えていますか?

生物学の専門知識と取材経験から得た知識をふまえながら、“文化”とコミュニケーションをテーマとしてお話しています。
「文化」と聞くと、異なる国や民族との関わり方を想像しがちですが、私はもっと広い概念として捉えています。世代、ジェンダー、地域なども含まれたものが「文化」であると考え、その前提で指導しています。
人と関わる際、私達は先入観などの様々なフィルターを通して物事を解釈し、善悪を判断することがあります。授業では、それをもっと広い視野で理解する方法を考える機会を提供したいと考えています。

授業風景

特に、物事をより自分ごととして捉えることを重視しています。その課題の一つとして、学生に自分が持つ固定観念を一つ考えてもらい、それが今までのコミュニケーションにどのような影響を与えたかを振り返るということをさせています。学生たちはその過程で非常に興味深い発見をしてくれます。
例えば、小学校で野球をしていた時期に「キャッチャーは太っている」という固定観念を持っていた学生がいました。その学生は、当時その場にいた子を勝手にキャッチャーだと決めつけてしまったことを今になって反省していると書いてくれました。
このエピソードは非常に印象に残っていて、授業でもよく紹介しています。
そうやって過去を振り返りながら、広い考え方を持てるようになることがとても重要だと考えています。

2年生で学ぶ国際社会論はどの様な内容ですか?

授業では「人」について考えることの重要性を伝えています。
例えば、世界各地で起きている紛争を題材に取り上げ、紛争地域での体験者の手記やインタビュー映像などを見てもらいます。その過程で現地の人々も自分と同じ空の下の人間であることを想像し、現地の問題に目を向けてもらいます。
このアプローチで、世界やその地域で起きていることを広い視野で理解してもらうことを目指しています。

授業風景

北星学園大学の学生に期待する事は?

大学では、とにかく何でも良いので楽しいと思えることを見つけてほしいです。勉強じゃなくても構いません。学生にとって、大学は自分の居場所をたくさん見つけられる場所だと思うんです。
サークル活動や仲の良い友達、図書館に一人で過ごすこと、先生と話すことなど、どんなことでも良いです。大学生活を通じて楽しいと感じたり、悩みを解決したり、あるいは緩和される経験を積むことで、前向きに進む力を得てほしいと願っています。

大島寿美子先生

Profile

大島寿美子先生

医療社会学、健康科学、科学社会学

大島 寿美子先生

1987年
千葉大学 理学部 生物学科 卒業
1989年
千葉大学大学院 理学研究科 修士 修了 理学修士(発生生物学)
1995年
社団法人共同通信社 記者
1997年
米国 マサチューセッツ工科大学(MIT) Knight Science Journalism Fellowships その他 留学
2001年
株式会社ジャパンタイムズ編集局 記者
2012年
北海道大学 医学研究科 社会医療管理学講座 医療システム学分野 博士 修了 博士(医学)(医療社会学)
2012年
北星学園大学 文学部 心理・応用コミュニケーション学科 教授

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