研究者VOICE

ロバートJ.トムソン先生

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比較文化心理学
情報メディア研究

文学部英文学科

ロバートJ.トムソン先生

人の心理というものを、客観的に調査・統計処理をして、データに基づいた考察を導き出すことに魅力を感じます。
最近では、インスタグラムにおいて日本とアメリカの企業では、アップするコンテンツにどのような違いがあるのか、ということを研究しています。

インターネット上における、主に日米の行動の違いを心理学の視点で分析しています。

最初にその違いに気づいたのは、ミクシィ(Mixi)とフェイスブック(Facebook)を見ていた時。
不思議に思ったのは、ミクシィの主な利用者である日本人はめったに顔を出したがらない。ところが、フェイスブック上のアメリカ人などは、これ見よがしに自分のすごいところを顔を出してアピールする。
同じような媒体だけれど、文化によって使い方が違うということに気付いて、それ以来調査を始めました。
その中で、日本人は、インターネットプライバシーにおける懸念(個人情報の漏れ)について、とても関心の高い傾向があることがわかりました。

日本人は、既存の人間関係を維持することを、とても重要に考えています。

社会レベルの要因としては「関係流動性」に着目しています。
関係流動性とは、「対人関係の選択肢」がたくさんあるかないか、「既存の関係を切って新しい関係を作る」ことが容易か否か、といった概念のことで、往々にして、日本人はその流動性が低く、アメリカをはじめとする欧米の国々はその流動性が高いことがわかっています。

人間というのは周りの環境に適用しようとする動物である。

関係流動性が高い環境においては、よりよい対人関係を獲得するために、また、いい友達を自分の元に止めておくために自分のすごいところをアピールし続け、オープンなマーケットで自分を誇示する。それこそが、そこに住む者にとって環境に適した行動となるからです。
昨年、21カ国の研究者と共同で行った調査では、日本は関係流動性が低く、その要因として、お米を作る社会は周りの農家と協力・調整しながら田植え、収穫をする必要がある。自分のことだけを考えていたらお米は作れない。そういった環境が大いに影響していると言えます。
一方、遊牧民などは他の人の行動に依存しない。そういう歴史のある地域では関係流動性が高い傾向にあります。

自転車とスケボーで世界一周したのは、ただただ好奇心から。

地図を見ていたら、その先に何があるのか、という未知への興味でいっぱいになります。
そもそも、ニュージーランド人はアウトドア好きな人が多いですね。
私が旅に出る理由は、いろんな文化の人たちと接したかった。そして、大自然の中に自分を置いて、その雄大さに浸りたい、そういう思いが動機になっています。

今、関心があるのは、アドベンチャーツーリズムにおける安全情報の発信について。

行政が登山者に対してどのように山岳安全情報を伝えるのか、ということです。
ニュージーランドの山岳安全組織では、「こんな美しい大自然を楽しみましょう」というメッセージが先にあり、その上でこの素晴らしい自然を満喫するための安全について考えましょう、というコミュニケーション手法を取っています。
この北海道においても爆発的に増加しているアドベンチャーツーリズムに助言できるようになったらと考えています。ここにおいてもメディア心理学が大いに関わってくる分野なんです。

Profile

文学部英文学科

ロバートJ.トムソン先生

ニュージーランド生まれ
2011年 北海道大学大学院国際広報メディア ・ 観光学院 国際広報メディア修士課程修了
2013年 北海道大学大学院文学研究科人間システム科学博士課程修了
日本学術振興会特別研究員、北海道科学大学非常勤講師等を経て2017年4月より北星学園大学文学部英文学科専任講師。
ゼミは「デジタルメディア社会論」
大学院入学前に、自転車とスケートボードで世界一周。この時に記録した12,159kmの移動距離は「スケートボードによる最長の旅」としてギネスに認定されている。

自身の冒険記録、お勧めツアールートを紹介しているサイト。北海道の山岳安全情報なども充実しています。

hokkaidowilds.org

https://hokkaidowilds.org/

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